チャネリング時系列⑩

母の話によると
お腹にいる時からレコードを聴いていたせいか
私は3才の時点で好きな音楽は
「バッハとビートルズ」と明言していたらしい。

 

その後また様々な音楽を聴いてる内に好みも広がっていくのだけど
好きか嫌いかまぁまぁか、その時期によって感じかたも変わることもあるが、
それは上手いからとかヒットしてるからとか、そんな理由はくそ食らえと謎な自信を持っている。 

 

一時期、全体的な曲そのものを楽しむ以外に
ベース音だけ追いかけて聴いたり曲の構成を楽しむマイブームがあったのだけど、それが翻訳に役立つことになった。

 

 

Kちゃんとは音楽の好みがすごく合ったわけではないけど
彼女も同じく自分の好きなもの、をちゃんと持っていて、
チャネリングの情報を使って
彼女が曲を作って録音しようという流れになった。

 

突然来る情報だけではなく、能動的に情報をもらうのは可能かどうか
質問してみると「YES」

 

私達は小学生のワクワク遊びのテンションと職人モードを混ぜ混ぜ状態で
まずは曲作りから始めた。

 

情報主に「お題」をもらって
彼女が受け取ったインスピレーションで粗削りな曲を作る。 
それに対してまたアドバイスがくる。 
とりあえずまた練り直したりもして。
(でも彼女らしい曲がちゃんとできる)

アレンジも「ハモらずに二重録り」や「外で録音」「リズムの代わりに古いカメラのシャッター音」
「副旋律いれてみて」曲の場面設定やなんかも次々と情報がもらえる。
そして実行してみると、ほんとに予想外に小さな奇跡が沢山起こって
好みの違う二人が文句なしに素敵やと思える曲がいくつかできた。

 

 

でもきっと時代にはそぐわない、プロから見たら幼稚な
フワフワとピュア過ぎる曲たちだったのか…
デモテープを送っても反応はなかった。

 

わたしは楽しかったし、認められないことくらいよくある事だから
自分達の満足いくものが形になったことが大事やと思って特に気にしなかったけど

 

彼女はそうではなかった。

 

彼女とは他にもチャネリングが関わる問題で色々なエピソードがあるけれど
長くなりすぎるし省略…

 

とにかく素直に信じすぎる彼女に不安を覚え、何度も「盲信しないで。依存したらあかん。自分の選択のヒントくらいにとどめて」と念を押したのだけど
「うん!わかってる!」

 

でもたぶん、私の言いたいことは伝わってはいなかった。

 

些細なことに「ねぇYESかどうか聞いて!」とせがむようになり
これはまずいな…
と思い始める。

 

「もう安易に聞いてくるのはやめてほしい。答えるのはあなたの為にならないと思う。」
と宣言した。


もともと自分に自信がなくて去勢を張っている雰囲気もあった。
ピュア過ぎて、社会と馴染めず孤独でもあったのだろう。チャネリングによってハリボテの自信を味わってしまい、
それが無くなった後にも
誰かがそれを与えてくれることを渇望し、追い求め、自分の力を信じられず
それでも前に進もうと東京へ引っ越して、現実に打ちのめされ
孤独を強めていってしまった。


時々会いに行ったり電話やメールでやり取りして、モヤモヤ悩んでないで身体を動かしたり栄養ちゃんととるのが大事やで!と訴えた。


でも
ついに明らかに統合失調症だと分かる状態になってしまった。

今思えば、出会った時すでにその片鱗を見せていて。
本当は私を含め周りが気づいてないだけで、すでに始まっていたのだと思う。

無知で傲慢な私は、ただ寄り添う、なんてことはできなかった。

 


私と出会わなかったら
ここまで悪化しなかったのだろうか。
考えても仕方ないけど
考えてしまう。

 

自分のせい、と思うのもまた傲慢で

どんな人生だろうと、そう思ってしまうのは彼女に失礼な気もする。

 

 

少なくとも
本当にもっと慎重に…
もしくはもう
チャネリングなどしない方がいいのかもしれない。

それから何年も私は他人にチャネリングの話をしなくなった。